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上位法科大学院(ロースクール)合格までの軌跡


by cos911
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平成22年一橋 再現答案 憲法2

平成22年一橋 憲法 問2



1 違憲判決を受けた法の効力はどうなるか。
(1) 一般的効力説は消極的立法となり三権分立に反する。個別的効力説は確かに予測可能性を損なうが、憲法は付随的審査制を取っている(81条)。何故なら抽象的審査制だとすると要件が憲法上明記されていなければならない。したがって個別的にその事件においてのみ当該法律は違憲となる。国会は改廃する法的義務も負わない。
(2) 内閣は法律の執行義務を負うが、(73条1号)違憲となると執行義務は解除される。もっとも、改廃は立法によるしかない。何故なら国会こそが唯一の立法機関(41条)。
(3) 違憲判決は、その事件限りで下級審を拘束する。

2 名称しか変わっていないので明らかに同じ法律。それが改めて可決された場合どうするか。
(1) 上記具体的違憲審査制により、具体的な事件の提訴を待ってしか判断はできない。
(2) 具体的事件が提訴された場合どうするか。
(ア) 一般的効力を及ぼすことが考えられる。確かに、権力間の抑制と均衡という三権分立の趣旨から司法権にチャレンジしてくる立法権をいさめる必要性はある。しかし具体的審査制も三権分立の趣旨から導かれる重要な制度。簡単に緩めるわけにはいかない。
(イ) そこで、このような場合裁判所は憲法判断回避や合憲限定解釈のような司法消極主義ではなく積極的に法令違憲の判断を下す司法積極主義を採用していくしかない。


[コメント]
かなり我流の解答。
個別的効力説・付随的具体的審査制を前提問題として三権分立とはなんぞやという現場思考型で解いた。
8対7の僅差による違憲判決、という部分は活かしきれなかった。
by cos911 | 2009-12-10 01:35 | 入試記録